現役時代にお金を貯める生活

2023年9月7日2024年2月24日

先の記事「早期退職の金融資産シナリオ」で、56歳の早期退職時点で3000万円の金融商品と800万円の現金が最低限必要という私のマネープランをお示ししました。現役時代にこれだけの資産を構築することは簡単なことではありませんし、私も現時点まだそこには至っていません。ただ、このペースでいけば早期退職時点で何とか確保できる目途がついています。激務の対価としてそれなりの給与をもらっていたこともありますが、それ以上にお金をあまり使わない生活だったことも幸いしたと思います。この記事では、お金をあまり使わない生活の秘訣をご紹介します。

【現役時代にお金を貯めるためには】
〇固定費を減らす
　・住宅コスト（社宅がある場合はなるべく長く活用）
　・自家用車を持つコスト（カーシェアを活用）
　・通信コスト（スマホは大手キャリアから格安SIMに乗り換える）
　・食費（仕事の日の昼食はなるべく弁当か社員食堂）
〇浮いたお金は普通預金に残さず積み立てる
　・低金利の時代は、預金ではなく積み立て投資が有利

自宅購入までの間は社宅暮らし

30歳前後で結婚し子供が生まれた頃から、40代前半で自宅マンションを購入するまでは家賃2万円の社宅住まいでした。古くてあまり快適とは言えなかったものの、子供がいる家族向けの賃貸物件は家賃・共益費で10万円以上はするでしょうから、社宅暮らしによる月の節約効果は8万円。10年間でおよそ1000万円貯まったことになります。
自分の場合、30代までは転勤が多かったため自宅購入は40代になりましたが、結果としておそらく生涯で家を買い替えることもないような年数となり、あまり早く自宅を購入するよりもよかったと思っています。

車を手放してカーシェア利用

車がないと生活できない方、あるいは車を持つことが生きがいの方は読み飛ばしていただければと思います。
若いころは国産のコンパクトカーを持っていましたが、下の子供が部活を引退して送迎の必要がなくなったこと、また自宅が駅近のため、車がなくても生活できる環境のため、50歳のころに思い切って廃車し、車が必要な時だけタイムズカーシェアを利用することにしました。
同じ車に17年間乗り続けましたが、年間の維持コストは駐車場代、任意保険、車検だけでも年間25万円は要していました。カーシェア移行後は年間10万円も使っていないように思いますし、何より数百万もする買い替えの必要がありません。10年に一度200万円の車を買うと仮定すれば、臨時の修理費用やガソリン代などとあわせ、マイカーを持つことによる10年間の費用は500万円。カーシェアなら10年間で100万円ですから、50代の10年間で400万円節約できることになります。

スマホは中古iPhone・格安SIMを使用

まだ格安SIMが一般的でなかった10年くらい前、当時は大手キャリアの一般的なスマホの月額（機種代除く）は6千円はしていたように記憶していますが、それを高いと感じた私は、その頃からIIJmioの月額2千円程度の格安SIMを探し出して使用しています。今は大手キャリアも割引を駆使すれば月額3千円くらいでしょうが、それでも家族4人分となれば、格安SIMであれば月4千円節約。機種もiPhoneが性能がいいものの新品で買えば10万円は下らないので、中古や数年落ちの新古品を3万円程度で3年おきに購入して使用しています。家族4人での10年間の節約効果はおよそ100万円くらいと試算できます。

仕事の昼食はなるべく弁当持参

社員食堂がなく昼食を外食している場合、安くても毎日800円くらいはつかうでしょうか？10年間の昼食代はおよそ200万円。前夜の残り物をつめた弁当だとたぶん原価はその半分以下。たまにはおいしい店で外食を楽しんだとしても日常のコストを抑えれば、10年間での節約効果はおよそ100万円くらいと試算できます。

以上のような固定費の節約で私は10年あたりで1600万円を節約したことになります。私の場合、煙草を吸わず、深酒もせず（接待を伴う飲食店も好まず）、そしてゴルフのようなお金がかかる趣味を持たなかったこともプラスに働いたと思います。
しかし、好きなことを我慢しすぎても、豊かな人生とは言えないので、固定費を節約した分、たまには旅行や食事など楽しいことをしたり、自分の財力の範囲内での趣味も持ちたいものです。

毎月定額を積み立て投資

浮いたお金をそのまま普通預金においておくと使ってしまうので、私は給与から天引きして貯めてきました。以前は財形住宅貯蓄で家を買う頭金を貯めており、高金利の時代だったため、それなりのリターン（非課税）を得ることができました。ただ、現在の低金利では財形貯蓄や一般的な天引きの定期預金はリターンが期待できません。
給与から拠出するタイプの確定拠出年金（企業型ＤＣ）、あるいは給与からの天引きではないですが自分で証券口座を開設して、毎月定額で投資信託やETFなどを積み立てたほうがよさそうです。特に「つみたてＮＩＳＡ」のような税制面で有利な制度もフルに活用しましょう。